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第48回・生地を送るミシンの装置にはどんなものがあるの?


第46・47回と、工業用ミシンの分類について、縫い目と縫い継ぎのスタイルから紹介してまいりましたが、今回はミシンの重要な機構である、生地を送る装置についてお話ししてまいりたいと思います。

ミシンで縫い工程を行う上で、生地(布)を送る装置が必要不可欠であることは言うまでもありません。また生地の素材や種類(とりわけ風合いや厚さ)、あるいは縫い付ける場所などによっては、縫いづらくなったり見栄えが悪くなったりするだけでなく、最悪の場合は縫い目とびやワサビキズなどの縫い不良につながることもあります。そのため実際にミシンで生地を縫い付ける場合は、これらを考慮に入れて適切な装置を選ぶことが重要です。
生地を送る装置の種類には、大きく次のものがあります。
1)下送りミシン
生地を押さえるための金具(以下押さえ金具)の下に、生地を送るためのギザギザの送り歯があり、これが動くことで縫い進められます。ちなみに縫い針は上下方向にのみ動きます。最も標準的な装置ですが、分厚い生地やすべりやすい生地などでは、縫いずれやパッカリング(縫いによって生じるシワ)が発生する場合があります
2)針送りミシン
押さえ金具の下に送り歯があるのは下送りミシンと共通ですが、こちらは縫い針が生地に貫通させた状態で送り歯と連動して前後に動くことで、下送りミシンの欠点を補完しています。コンパウンド送りとも呼ばれます。
3)上下送りミシン
生地を送るための送り歯が押さえ金具の上下にあるミシンで、これらによって上下の生地を挟み込むように送ります。なお縫い針は上下方向にのみ動きます。ミシンの送りにくい生地やずれやすい生地の縫製に適しています。
4)総合送りミシン
上下送りミシンと針送りミシン双方の機能を一体化させたミシンで、ユニゾン送りとも呼ばれます。こちらも生地送りしにくくずれやすい生地の縫製に適しています。
5)差動(下)送りミシン
押さえ金具の下に前後2種類の送り歯があり、それぞれの送り歯の送るスピードを調節することで幅広い縫い方ができるミシンです。前の送り歯の送るスピードを遅くすると、生地が引っ張られた状態で縫い合わされるため、ニットなど伸縮性に富む生地では縫い目に伸縮性をもたせる伸ばし縫いができます。逆に前の送り歯の送るスピードを速くすると、生地が縮まった状態で縫い合わされ、ギャザー縫いやいせ込み縫いができます。
6)差動上下送りミシン
押さえ金具の上下双方に前後2種類の送り歯があり、それぞれ生地を送るスピードが調節できます。そのため、生地送りしにくくずれやすい生地にも伸ばし縫い・ギャザー縫い・いせ込み縫いができます。
このように工業用ミシンには、使用する素材や生地の組織に応じて、さまざまなバリエーションが開発されているのです。

次回は、ミシンを語る上で最も避けて通れないについてお話ししたいと思います。

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