ニットリビアの庭

第49回・縫い針にはどんな種類があるの?


第45回からミシン、特に工業用ミシンについていろいろとお話ししてまいりましたが、今回は、手縫い・ミシン関係なく、縫い工程に絶対不可欠なに焦点を当ててまいりたいと思います。

当たり前の話ですが、接着や溶接などの特殊な例を除いて、針がなければ縫うことができません。縫い工程は、生地などを縫い合わせるための縫い糸を針に開けられた穴(これを糸穴と呼びます)に通し、その針を生地に刺しながら縫い糸を通していくことで、生地同士や生地と資材を縫い合わせることができます(もっとも刺繍のように装飾として生地に縫い付ける例もありますが)。こうした縫い工程のために使われる針を縫い針と呼び、主として手縫い用とミシン用とに大別されます。
手縫い用の針は、安全に糸通しできるように、糸穴が柄(え)、つまり針の先端と反対側にあります。なお実際の手縫いには、生地を仮留めしたり縫い工程の目印にしたりする目的で、柄に球などの目立ちやすいマークを付けたまち針を使うことがあります。一方ミシン用の縫い針には、安全かつ容易に取り付けられ、なおかつ安定して動作できるようにするため、側面に溝が刻まれ、糸穴は先端近くに開けられています。

ところで縫い針の先端は、注射針のように先が鋭く尖っているわけではなく、ボールペンのごとくわずかに丸みを帯びています。これは、注射針が薬液の注入や血液採取のために皮膚などを突き刺して奥に入り込めるようになっているのに対して、縫い針は生地を構成する糸と糸との隙間に入り込むためであり、このような先端の針をボールポイント針と呼びます。また先端が注射針のように尖っていると、生地を構成する糸を切断して地糸切れと呼ばれる針穴の原因になってしまうため、特にニット生地をミシンで縫製する場合にはボールポイント針が適しているといえます。このボールポイント針には、縫い合わせる生地に応じて丸みの異なる種類がいくつかあります。
縫い針は、生地を構成する糸の太さや性質に応じてさまざまな太さがあり、これを針番手と呼びます。通常はできるだけ細い針を使いますが、特にミシン針では、生地の目が詰まっていたり生地が分厚かったりなどすると、最悪の場合針が折れるおそれもあるため、より太い針の使用が推奨されます。なおミシン針には、針の強度を高めるために、太さを2段階にしたものもあります。
また、長く使い続けると、摩擦によって針が摩耗したり針が熱くなったりします。針が熱くなると、特に合成繊維の場合は熱で糸が溶けることもあるため、表面に薄く潤滑油を塗ったり回転速度を緩めたりするなど、摩擦や熱を緩和させることも重要です。そして、金属疲労による劣化で針が曲がったり折れたりすることもあるので、針混入などの重大事故を予防するためにも、一定の周期で針を交換することが大切です

ここまで数回にわたって、ミシンについていろいろとお話ししてまいりました。
次回からは、縫製工程で用いるいろいろな縫い方についてお話ししていきたいと思います。


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