ニットリビア・バックナンバー

第23回・織物と編物ではどんな違いがあるの?


前回からいったん寄り道して織物についてお話ししておりますが、前回予告しました通り、今回は、織物と編物の違いに焦点を当ててお話ししていきたいと思います。

このニットリビアの最初でもお話ししました通り、編物の場合は、編目を作って糸を絡ませる組織になっていて、糸がヨコ方向にわたっている場合は主としてヨコ方向、タテ方向ならば主としてタテ方向に伸縮する性質があります。一方織物の場合は、タテの糸とヨコの糸を交差させる組織のため、ポリウレタンなど伸縮性の高い素材でない限り、伸縮性はほとんどありません。 さらに編物は、繊維長が長くて撚りの少ない甘撚糸を使うことが多いのに対して、織物は繊維長が短く撚りの多い強撚糸を使うことが多いので、織物は編物と比べて堅い感触のものが多くなっています。このため、織物と編物で実にさまざまな違いがあるわけです。

主だった違いをまとめると、次のようになります。
 手触り (織物)編物よりハリ・腰がある (編物)織物よりすべすべしてしなやか
 肌への感触 (織物)硬くて刺激が強い (編物)柔らかくて暖かく、刺激が少ない
 体型へのフィット (織物)フィット性に乏しい (編物)フィット性がある
 シワ (織物)シワができやすい (編物)シワができにくい
 アイロン仕上げの必要性 (織物)大いにある (編物)ほとんどない
 型くずれ (織物)型くずれしにくい (編物)型くずれしやすい
 かさ高さ(バルキー性) (織物)小さい (編物)大きい
 ドレープ性 (織物)小さい (編物)大きい
 通気性 (織物)小さい (編物)大きい
 保温性 (織物)小さい (編物)大きい、但し風がある場合は織物より小さい
 吸水性・速乾性 (織物)小さい (編物)大きい
 生地を引っ張ると (織物)引っ張り強い (編物)引っ張り伸びが大きい
 生地を破くと (織物)裂けやすい (編物)裂けにくい
 衝撃 (織物)弱い (編物)強い

ドレープ性とは、例えばテーブルクロスを敷いた際、はみ出た部分でひだができることがありますが、こうしたひだができやすいか否かを表します。編物は織物に比べて風合いが柔らかく、そのためにかさ高く、保温性も富んでいると考えられます。
また、糸を構成する繊維の長さや繊維の本数、さらに撚りの強弱によって、シワのできやすさや通気性・保温性・吸水性などに現れていると考えられます。そのため織物の場合は、アイロンでセットするとプリーツと呼ばれる折り目が付きやすくなるわけです。

このように、同じ衣類の素材であっても、織物と編物は全くの別物で、これは我々が実際に着用する際の感覚(風合い)に大きく影響しています。衣類は、織物と編物の性質の違いを考慮して、目的や用途に合わせて、それこそ適材適所で作られているのです。

これにて、織物と編物についての寄り道を終えさせていただきます。
次回からは、次なるセクション・繊維の加工段階についてお話ししていきたいと思います。

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