ニットリビア・バックナンバー

第13回・アセテートってどんな特徴があるの?


前回のレーヨンから大幅にブランクがあきまして申し訳ございませんでした。
今回は、そのレーヨンからさらに化学的な方法でつくり出される「アセテート」について紹介致します。
あらかじめおことわりさせていただきますが、人造繊維は有機化学と密接に関連しているため、この回以降しばらく有機化学用語がいろいろ出てまいります。何卒ご辛抱の程よろしくお願い致します。
アセテートは、レーヨンと同じくパルプやコットンリンターから抽出されるセルロースに由来し、食酢などに含まれる酢酸と反応させて作られます。19世紀末に製造法が確立されましたが、1924年に、アセテート用の染料が作り出されたのをきっかけにようやく工業化にこぎつけました。ちなみに、アメリカではレーヨンよりもこのアセテートが多く生産されています。

製造法は、まず原料に酢酸を作用させ、そうして作られる物質(以下物質A)に水を加えて加水分解させ、さらに洗浄・脱水・乾燥を経て白色の粉末状の「アセテート・フレーク」にします。これをアセトンに溶かし、この溶液を細い孔から高温の空気中に放出させ、乾燥・凝固(以下工程B)させて作られます。
余談ですが、先に述べた物質Aを塩化メチレンなどに溶かして工程Bを経ることで、トリアセテートが作られます。
このように、化学的工程をいくつも経て作られるため、レーヨンの再生繊維に対して、アセテートは半合成繊維とも呼ばれています。

アセテートには次の特徴があります。
1)レーヨンよりも軽い。
2)水による伸縮が小さく、シワになりにくい。
3)絹のような光沢がある。
4)熱に強く、難燃性がある。

但し、人造繊維の中では摩擦などによる物理的な強度が弱いため、衣類としての用途は限定的で、ほとんどがタバコに詰められるフィルターに使われます。ただそのタバコも、昨今の健康増進法施行などにより需要の大幅な減少が見込まれることから、今後は他の繊維と組み合わせて、難燃性のカーテンなどにシフトしていくことになると思われます。
次回は、動植物にたよらず鉱物資源だけで作られた最初の合成繊維・「ナイロン」についてお話ししていきたいと思います。

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