ニットリビア・バックナンバー

第12回・レーヨンってどんな特徴があるの?


前回から、人工的に作られる繊維についてお話ししておりますが、その先陣を切ったのは「レーヨン」でした。その光沢が絹に似ていることから、「人絹(じんけん)」とも呼ばれています。現在でも、繊維の中では価格が安く、近年の地球環境問題ともあいまって、今後も需要のある繊維といえます。

レーヨンは、木材のパルプなどから繊維となる物質を抽出して作られる再生繊維の総称で、もととなる原料は紙とほぼ同じです
主成分は、綿などの植物系の繊維にも含まれる「セルロース」で、デンプンと同じくブドウ糖などの糖類が鎖状に連なってできる物質ですが、デンプンよりも分解されづらいため、人間では消化されづらい物質です。
レーヨンは、この物質を化学的な方法で抽出し、繊維状にしたもので、「ビスコースレーヨン」「ポリノジック」「キュプラ」などがあります。

1)ビスコースレーヨン
ビスコースレーヨンは最も古典的な方法で作られるレーヨンです。作り方は、木材パルプをアルカリ性の液体に溶かし、その溶液に二硫化炭素を作用させ、さらに濃度の薄いアルカリ性の液体に溶かしてビスコースを作ります。そして特殊な液体の中にビスコースを射出して作られます。
しかし、吸湿性が大きく、特に水にぬれると強度が大きく落ちる欠点があるため、これを克服するために開発されたのが、次の「ポリノジック」です。

2)ポリノジック
ビスコースレーヨンの欠点である、湿潤時の強度低下などを改善させるために開発されたレーヨンです。有機化学の話になりますが、重合の度合いを高めたり、化学物質の量や温度を調節したりして作られます。重合とは、分子構造の小さな物質をつなぎ合わせて大きな分子構造の物質を作り出す変化のことで、人工的に作られる繊維の大部分がこの方法で作られます。
当然のことながら、ビスコースレーヨンよりも湿潤時の強度が強く、アルカリ性にも耐性があります。また、光沢も絹に似ています

3)キュプラ
特に衣服の裏地やトリコット下着などに利用されており、商標である「ベンベルグ」でも意味が通ります。
原料は、「リンター」と呼ばれる綿花の種子に付着しているごく短い毛を主に使用します。これを、硫酸銅とアンモニアから作る溶媒に溶かして、それを特殊な液体の中に射出して作られます。
ビスコースレーヨンよりも弾性に富み、手触りが柔らかくシワになりにくい上、強さも優れています

最近の再生繊維では、レーヨンの他に「テンセル」「リヨセル」などの素材が出回っていますが、いずれも登録商標のため、家庭用品品質表示法上「指定外繊維」に分類されています。


次回は、レーヨンよりもさらに化学的な方法で作られる「アセテート」についてお話しします。

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