ニットリビア・バックナンバー

第26回・染料以外に染色で使われるものには何があるの?


今回は、前回の染料の補足で、染料以外に染色で使われる薬品等について紹介していきたいと思います。

1.染色助剤
それぞれの素材によって使う染料に違いがあるのは前回お話しした通りです。しかし、より染色スピードを速めたり、よりきれいに染め上げたりと、染色の効率や効果を高めるためにさまざまなものを使うことがあります。これを染色助剤と呼びます。
染色助剤には、主に次のものがあります。
1)促染助剤
染色のスピードアップや、付着させる染料の量を増やすことでより濃く鮮やかに染め上げるために使われる薬品です。
ポリエステルを分散染料で染色させる際に使われるキャリヤーは、繊維に吸い付くとポリエステル分子の熱運動を高める作用があり、これにより染色スピードを上げることができます。
一方、直接・反応・バット染料で綿などのセルロース系素材の染色に使われる無機電解質、酸性染料で絹・羊毛・ナイロンの染色に使われる酸は、それぞれ付着させる染料の量を増やす効果があります。
2)均染剤
繊維上で染料を均一に行き渡らせるための薬品です。染料の浸透スピードを抑えたり、不均一に分布した染料を均一に浸透させたりすることで、染色ムラを防ぐために使われます。
繊維と相性の良いイオン系の界面活性剤、染料と相性の良い非イオン系の界面活性剤があります。
ちなみに界面活性剤とは、水になじみやすい成分とそうでない成分両方を併せ持ち、水と油のように液面が分離する物質同士を混ざりやすくして液面の境目をなくす物質の総称で、身近なところでは洗剤などに含まれています。
3)金属封鎖剤
マグネシウムやカルシウムなどを多く含む硬水を使用すると、これらの作用で染め上がりが悪くなってしまうのを防ぐために使われます。金属イオンを取り囲むようにしてキレートと呼ばれる構造をもつ物質を生成することで活動を抑え込む効果があり、キレート剤とも呼ばれます。

2.染色堅牢度増進剤
文字通り染色堅牢度、つまり物理的・化学的耐性を向上させるために用いられる薬品です。
水に溶けやすい染料に対しては、染料との化学反応で水に溶けなくすることで水濡れに対する耐性を上げるフィックス剤が使われます。一方、水に溶けない染料に対しては、余分な染料を落とすことで摩擦や洗濯に対する耐性を上げる洗浄剤があります。

3.蛍光増白剤
文字通り繊維上で光を反射させることにより白味を強める作用のある薬品です。虹にたとえて、紫色すぐ外側の目に見えない光線を吸収して青ないし青紫色の光を反射させることで、黄ばみを目立たなくする効果もあります。
ちなみに黄ばみは、紫の光が吸収されて紫色の光が少なくなった状態で反射されることで、紫と色合いが反対の黄色に見える現象です。黄ばみ防止の方法として、青ないし紫の染料で白っぽく見せる「青味付け」もあります。

ここまで2回にわたって、浸染つまり液体に浸して染色するための染料や薬品についてお話ししてまいりましたが、次回は捺染つまりプリントで使われる染料や薬品についてお話ししていきたいと思います。

コメントする

名前

URL

コメント

カレンダー
  • 今日
  • 定休日

ニットガーデンから、とっておきの情報を随時配信してまいります。
購読ご希望の方はこちらからメールアドレスの登録をお願い致します。

変更・解除・お知らせはこちら

ページトップへ