ニットリビア・バックナンバー

第41回・生地はどのように切り分けられるの?その1


更新のご無沙汰、まことにご迷惑さまです。
前回は、衣類を作るための手順とその書類についてお話ししてまいりましたが、今回から実際に衣類を作る作業についてお話ししていきたいと思います。
今回は、生地の裁断工程について順を追ってご紹介致します。

衣類の生産における第1ステップは、生地の受け入れです。それぞれの種類や色が必要な数だけ入荷されているか、また汚れや水濡れなど、生産に不向きな状態でないかをチェックしてから、裁断のために生地を拡げ延ばす「延反」工程を行います。

生地は連続して編まれて(織られて)作り出されるため、表面積が非常に大きくなります。そのため、裁断・縫製工場へ輸送しやすいように紙の筒に巻かれたり、折り畳まれた状態で袋詰めにされたりして搬送されます。この時生地は、生地そのものの重みや重なり、摩擦などによってさまざまな力や負荷がかかります。また、生地の編糸(織糸)自体も、組織によっては強く引っ張られることもあります。
延反工程には、生地をもとの状態に拡げ、リラックスさせることで、これら生地にかかる余分な力を解放・分散させる働きも担っています。特に、形態が安定しない生地(摩擦が少なく滑りやすい、編目が糸の太さと比較して大きいなど)や縮みやすい素材を使用している生地には、生地を長時間拡げてそのままにしておく「放反」工程を経ることもあります。
また、受け入れ段階では見落とされがちな生地の汚れやキズ、あるいは染色上の欠点などをチェックすることも可能です。これらの作業を怠ったり、不十分だったりすると、生地に余計な力がかかったり、欠点を見逃したりした状態で裁断工程に入ることになり、裁断後のパーツの縮みや変形、編みキズや汚れなどの生地に由来する欠点、あるいは色に関する欠点(色ムラ・スレ・色違いなど)の原因につながりかねません。このように延反工程は、不良品の発生をなくし、要求された品質を満たす上できわめて重要な作業工程であるといえます。

次回は、生地をパーツごとに切り分ける裁断工程についてお話し致します。

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